韓鵬に寄す(2)七言絶句を臨書する
2.筆者は誰か
筆者は陳鴻寿(1768〜1822)で清、浙江省銭塘の人。字は子恭、
号は曼生。西冷八家の一人で詩文書画篆刻をよくしました。
西冷八家とは、「西冷四家とやや後の陳鴻寿、銭松、陳予鐘、趙之深
を加えた八名を言う。その刻印は漢印を宗とし、石印材のかけやすい
特質を生かし、巧妙な用刀により線を刻した方勁古拙な刻風は、従来
の繊弱で柔媚な習気を一洗した。」*①
さて、陳鴻寿は「行草書も、従来の法帖を専ら学んだ諸家と風趣の異な
る、趙・董の臭気を抜け切ったところを見せる。」*②と評される独自の
趣を持った存在です。
出典:①世界大百科事典
②書の歴史-中國篇- 伏見沖敬著 二玄社