斎藤茂吉の和歌を書く(2)「赤光」から

2.「赤光」とは

斎藤茂吉作 祥香書

「赤光」とは、斎藤茂吉の第一歌集で、明治三十八年(1905)茂吉が24歳で
作歌を始めた時から、大正二年(1913)32歳までを収めています。

茂吉は山形県に生まれましたが、少年期に医師斎藤紀一の養子となり上京しま
した。制作期間は一高卒業直後から、東京帝国大学を卒業後医局員および病院
勤務の頃にあたります。

高校三年の頃に正岡子規の「竹の里歌」を読み、その自由な作風にひかれて、
自ら制作するようになります。そして子規門下の伊藤左千夫に師事しています。

「赤光」は子規亡き後の根岸派近代化の成果といえます。編纂の中、左千夫が
急逝したため、「赤光」の最後はその墓前の作となっています。
 参考文献:赤光 斎藤茂吉作 岩波文庫