斎藤茂吉の和歌を書く(1)「赤光」から

1.毎日書道展にて

祥香書

毎日書道展にて本日まで展示してありました、II類かな作品です。
釈文:「麦の穂に光のながれたゆたひて 
    向うに山羊は 啼きそめにけり」

選字は、「麦の寶に飛可梨乃
         なか連
    堂遊多日傳無こう爾やき盤那支
            そ免爾遣里」

二尺六尺の和紙に、一首を四行書きにしています。一行目に添うように
二行目の「なか連」を配し、三行目は見せ場として大きめに展開してい
ます。

墨継ぎは、三行目の下から二字で行い、下の空間に働きかけています。
四行目は三行目に付かず離れずの位置を保ちながら、右へ流れています。