一緒に踊り明かしましょう(4)良寛歌集より
4.良寛さんは踊り好き
良寛さんの踊り好きは、『良寛禅師奇話』にも記されていまし、上の二句目の前書きに、「踊り手拭」をいただいたとあります。
「もろともに踊り明かしぬ秋の夜を
身にいたつきのゐるも知らずて」
選字は、「毛呂東も耳
お登理愛閑之ぬ
あ記乃よ遠
美耳い當川き
能ゐ留无
之羅春天」
六行目から、始まりは滑らかに流れて、「も」「耳」も優美です。
七行目は一転して、墨が入り、「お」で広がった下に「登」を包みます。更に「理」から「愛」で左に働きかけ、行を動かしています。原文では、「愛」が冠部だけで脚部は見えません。
そして「閑」から「之」へ右へ流し「ぬ」で加墨をして左へ戻しています。
参考文献:良寛歌集 渡辺秀英著 木耳社