蘇軾・秋の清々しさを詠う(3)和分與可洋川園池うち二首

3.文与可とは

蘇軾作 何紹基書 上海博物館 祥香臨

詩の題にある「文與可」とは、文明(1018〜1078)、四川省の人。「與可」は字。文人画や墨竹画を得意としました。

夕暮れ時、夕陽に映える朱色の欄干と色どられた橋脚が、湖面に美しい。その橋を白い葛布と黒い紗の帽子を被った文與可が木履を引きずって歩いて行きます。

一句目の朱色と彩色、二句目の白と黒が対照的で絵画のようですが、画家である人物を意識したものでしょうか。

 参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明 二玄社