「西江月」蘇軾を(1)董其昌に倣う

1.詞と詩

西江月 蘇軾作 董其昌書 祥香臨

 詞は詩と異なり、一句の字数が一定ではありません。詞は中国の韻文の一つで、中唐の頃起こり、晩唐に文学的に高められ、宋代に広く流行して
代表的な文学形態となりました。

音楽に合わせて歌うので、長短が揃わずに、平仄や神韻の規則があります。「填詞」と呼ばれるのは、当初、楽曲に合わせて歌われていたが、曲が失くなり詞に規定された長短の詞をうめることからつきました。

また、「詞余」とも言われ正当な韻文である詩の余りということからきています。
詞の題名は、曲調名を表しています。

蘇軾は、著名な詩人であるばかりでなく、詞や文も一流でした。彼は詩で歌っていた世界を詞で詠んだものを見てきましょう。
 参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明 二玄社