思い人とのはかない別れ(3)建礼門院右京大夫集から
3.あれこれと思いつづけ
「『人をも花が、げにさこそおもひけめ、なべてはかなきためしにあらざりけ る』など、思いひつづけらるることのみさまざまなり。」
選字は、「人乎毛花は介耳佐こ處於裳ひ希め
なへては可なきた免志耳阿部らさ利介
るなと於毛ひ徒ヽ希ら流ヽことのみさま
佐まな利」
古の歌、『朝がほを何はかなしと思ひけむ人をも花はさこそ見るらめ』藤原通信(拾遺和歌集二十・哀傷)を受けて、朝顔の花を、なぜ命はかないものと思ったししたのだろう。
人のことも、花は同じように思って見ているでしょうに。
あれこれと思い続けることばかりです。
朝顔をはかないものとして見るだけでなく、花も人をそのように見ていると思うのは興味深いです。
参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社