「出師表」諸葛孔明(5)小楷を臨書する
5.各々が適した所へ
「是以衆議挙寵為督
愚以為営中之事悉以咨之
必能使行陣和睦 優劣得所也
親賢臣達小人此先漢所以興隆也
親小人達賢士 此後漢所以傾頽也
先帝在時 毎与臣論此事
未嘗不歎息痛恨於恒霊也」
大意は、将軍寵は多くの人々に謀って総督となり、軍内のことは彼に相談なされば適所に配置するでしょう。
前漢が栄えたのは、賢明な臣下を登用し、そうでない者を遠ざけたからです。他方で、後漢が滅びたのは、小賢しい者を用いて、優秀な者を遠ざけたからです。
先帝御在位の頃、私はこのことをお話して、後漢末の二帝には、嘆息と苦痛を感じぜずにはおられませんでした。
人を用いる時は、上に立つ者が能力を見抜くことができなければ適した所で働くことはできないでしょう。
参考文献:楷書前後出師表巻 祝允明書 東京国立博物館蔵