「出師表」諸葛孔明(6)小楷を臨書する

6.三顧の礼を尽くして

楷書前後出師表巻 祝允明書 祥香臨

侍中尚書長史参軍此悉亮死節之臣也
 願陛下親之信之則漢空之隆
 可計日而待也

 臣本布衣躬耕於南陽
 苟全性命於亂世不求聞達於諸侯
 先帝不以臣卑鄙猥自枉屈

 三顧臣草廬之中
 諮臣以当世之事
 由是感激遂許先帝以駆馳


大意は、先帝が遺された臣下たちは、真心があり、純粋です。彼らを重用なされば、国は栄えることでしょう。

私は、元は無官の身で、南陽にて畑を耕して暮らしておりました。乱世において諸侯に職を求めることは致しませんでした。そんな私の廬に帝は三度も訪れになり、今後なすべきことをお聞きになったのです。

感激した私は、ついに先帝のために馳せ参じることを許されました。

出師表で三顧の礼の経緯を読むと、やはり感動します。そして、孔明の明晰な洞察力と純粋な志に打たれるのです。

 参考文献:楷書前後出師表巻 祝允明書 東京国立博物館