かな帖の面構成を考える(4)一条摂政集から建礼門院右京大夫集へ
4.なんと返事したら
大意は、藤原兼光が中納言の蔵人頭でらした頃、無患子を六つ包んでよこしたのですが、「なんと返事したら良いでしょう」と播磨の内侍が言われたので、
「むく」とは、ムクロジ科の落葉高木。種子は黒く固いので、羽子の球に用い、また果皮はサポニンを含むので、石鹸の代用とした。
これを、不思議な贈り物と思ったのでしょう。なんと返事をして良いものか、困惑するのは無理からぬことです。そこは、さすが建礼門院右京大夫は代わりにさっと詠んでさしあげます。
お相手の意図を察して、仏の道に想いをいたして謎をときます。
参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社