胡蝶の夢(2)荘子を書く
2.自分は蝶だろうか
夢を見ていた荘周は、この後気付きます。
「俄然
覚、即蘧蘧然周也不
知周之夢為胡蝶與、胡
蝶之夢為周與」
読み下し文は、「俄然として覚むれば、即ち蘧蘧然として周なり。知らず、周の夢に胡蝶となるか、胡蝶の夢に周となるか。」
大意は、ふと目を覚ますと、紛れもなく荘周である。いったい荘周が蝶となった夢を見たのか、それとも蝶が荘周になった夢を見ているのだろう。
「蘧蘧然」とは、『釈文』に形あるさま。明確なはっきりしたありさま。
夢を見ていて心地良かったときは、自分が荘周であることを自覚しなかったが、覚めてみると、自分が荘周であることに気づくのです。
通常は、さっきのは夢だった、と終わるところですがそうは簡単にはいきません。
参考文献:荘子 金谷治校注 岩波書店