自分の存在を忘れる(4)荘子・物を斉しくする
4.これまでのご様子とは
これまでとは異なる師の様子に門人である顔成子游が問いかけます。
「今之隠几者、非昔之
隠几者也、子棋曰、偃
不亦善乎、而問之
也」
読み下し文は、「今の几に隠る者は昔の几に隠る者に非ざるなりと。子棋曰わく、偃よ、亦た善からずや、而(なんじ)のこれを問うこと。」
現代語にすると、「今、肘掛けにもたれたご様子は、これまでのものとは異なっています。」子棋は答えた。「偃よ、立派だね、お前の問いは。」
弟子が気づいた師匠の変容は何でしょうか。それが次に語られます。
参考文献:荘子 金谷治訳注 岩波書店