大人先生の評判を聞いて(4)酒徳頌を臨書する

4.礼法を主張する

酒徳頌巻 董其昌 祥香臨

陳説禮法、是非蜂起
読み下し文は、「禮法を陳説し、是非蜂起す」

「陳説禮法」:礼法を述べ立てる。
      「陳」は述べる。

「是非蜂起」:賛否の議論を戦わせる。*①
董其昌の図版では、「似非鵲起」となっていたのを訂正しました。

現代語にすると、礼法を述べまくり、賛成反対の議論を戦わせていました。

禮法とは、礼儀作法に関する教えにとらわれて、議論をしているつもりで、礼儀を失っていくさまが愉快です。

 出典:*① 漢詩と名蹟 鷲野正明 二玄社