酒の功徳をほめたたえる(1)董其昌の書

1.大空をおおいとして

董其昌 祥香臨 二玄社

一行目二字目「廬」は誤りで前の文につながっていました。
 「幕天席地、縦意所如
読み下し文は、「天を幕とし地を席とし、意の如く所を縦(ほしいまま)にす。」

幕天:大空を屋根とする。
席地:大地を敷き物とする。
縦意所如:思うままに振る舞う。

現代語訳は、大空を屋根とし大地を敷き物とし、思うままにふるまっている。

この記述は、荘子の「大鳳」を思い起こさせます。もっとも、鳳は飛翔して天をかけていましたが、大人先生は大地に足をつけているようです。

 参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明 二玄社