春の夜には(3)詠じたい詩歌

3.子の日とは

粘葉本和漢朗詠集 二玄社 祥香臨

子の日とは、旧正月初子の日に野に出て小松の根を引き、若菜を引いて遊び長寿を祝う行事です。三句目は、

 「倚松樹以摩腰、習風霜之難犯也。
  和菜羹而啜口、期気味之克調也
。」

読み下し文は、「松樹に倚って腰を摩ることは風霜の犯し難きことを習ふ
     菜羹を和して口に啜ることは気味の克く調ほらむことを期す」

「松樹に倚って腰を摩る」:松の樹に腰をあて、さすること
「菜羹を和して口に啜る」:正月七日に七種の若菜をあえて羹に作って食すこと。長寿を祝い邪を避ける行事。

後者は、現代にも残る七草粥の風習でしょうが、松の樹の方はあまり聞かなくなりました。
 参考文献:和漢朗詠集 川口久雄 講談社