蜩と鳩が鵬を笑う(1)荘子を草書で書く

1.笑って言った

荘子

 「蜩與學鳩笑之日、我決
  起而飛、搶楡ホウ而止」


読み下し文は、「蜩と學鳩とこれを笑いて曰わく、我れ決起して飛び、楡ホウにいたりて止どまるも」

「學」の字は別の注釈本で「鴛」とありガクキュウは小鳩のこと。「搶」はとどく、到達するの意です。
意味は、「蜩と小鳩とがそれを笑っていう、『われわれはふるいたって飛び上がり、楡やまゆみの枝につきかかってそこに止まるが、』

鵬が九万里も飛び上がって大空を飛翔すると聞いて、ひぐらしと小鳩が笑うのです。
両者にとって、小さな木に飛びつくのさえ、やっと届いたと思うほどです。ましてや大空を高く高く飛ぶことなど、考えもしないのでしょうか。

 参考文献:荘子 金谷治訳注 岩波書店