鳳が下界を見ると(2)荘子を書く

2.大きな船を浮かべるには

荘子

 「且其水之
  積也不厚則其負
  大舟也無力」

 読み下し文は、「且其れ水の積むや厚からざれば、即ち其の大舟を負(載)する力なし。」

「そもそも水のたまっている量が十分に深くなければ、そこに大きな舟を浮かべるのに耐えられません。」
「負」は担う、背おう意に使われています。「積」は農作物を求め集める、たくわえるの意味を表しています。

言葉の表現が視覚的で、水が積層されて厚みを増していく様子が浮かびます。その水が、大きな船を背負っていくという、まさに寓話の展開です。

 参考文献:荘子 金谷治訳注 岩波書店