鳳が下界を見ると(1)荘子を書く

1.鳳が見ているものは

荘子

これからは、鳳の様子が語られます。
 
 「其視下也亦若是
  則已矣」

読み下し文は、「其の下を視るや、亦た是くの若くならんのみ。」
ここで「已」は助字で意味はのみ、文末に置かれて、断定や強意・限定の語気を表します。「矣」は文末に置かれ、訓読では読まないのですが、断定などの語気を表現します。

「鳳も下界を見る時、やはりこのように青々と見えているのに違いない。」

上から下界を見る鳳も、下から空を見上げる人も同じように青々とした大空を眺めているのに違いない、と述べています。

 参考文献:荘子 金谷治訳注 岩波書店