天の蒼蒼たる(4)荘子を書く

4.それとも遠く

荘子

空の青々した様は本物でしょうか、と問うた後でこうも問いかけます。

 「其遠而無所至極邪」
読み下し文は、
 「其れ遠くして至極する所なければか。」

それとも遠くへだたって極まるところがないから、空が青々と見えるのでしょうか。
日本では、秋の空は高く澄み、どこまでも続いているように見えます。

私たちは、空の色について知っているけれども、時々空を見上げてハッとします。
何も知らず、この世のありようを驚きをもって見つめていた頃に、しばし戻ってみることにしましょうか。

 参考文献:荘子 金谷治訳注 岩波書店