宗盛様から櫛を贈られたことがありました(2)建礼門院右京大夫集
2.櫛をください
ここからは、櫛の贈答の経緯ですが、実は建礼門院右京大夫からお願いしたようです。
「八島のおとどとかや、このごろ人は聞ゆめる、その人の中納言と申しし頃、
櫛をこひ聞こえたりしを」
「八島のおとど」とは、平宗盛のことです。
寿永二年七月、平家一門は都落ちし、十月に八島(香川県屋島)行宮を造営していたことから、宗盛は「八島のおとど」とも呼ばれました。*①
用字は、「八島の於とゝ度可やこ乃故ろ人盤
記こゆ免留曽能日登の中納言
と裳うしゝ許呂久志乎
故飛きこえた里しを」
*出典:① 建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江 新潮社