朝霧のようにおかくれに(4)-建礼門院右京大夫

4.御捧物をさしあげた

建礼門院右京大夫集  祥香書

「みな御捧物たてまつらせたまひ」の「御捧物」とは、仏前に捧げる物、袈裟、香炉など仏事に関連のある品を作り枝に付けて捧げるものです。

(ハ)それぞれに縁のある殿上人が、捧物をお持ちになる様が、おもむき深く感動的でありました。
中宮の御捧物は、宮亮権亮がお持ちになりました。

故建春門院が、お住まいになっていた所の調度を片付けて、法要の場所として調えられたのも感懐を深く感じたのです。

当時は、寺院ではなく、内裏の中で法要が営まれたことは、興味深いです。また、ご縁のある方々が、出家された方もおいでなのでしょう。雅で、荘厳な法要の景色が伝わる描写です。

  参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社