宮人の御衣裳はすばらしい(1)-建礼門院右京大夫集

1.建春門院とは

宮中にお仕えして、建春門院や中宮の母、中宮が一堂に会する様は、四季の風物に似て印象的です。

釈文：「おなじ春なりしにや、建春門院、内裏にしばしさぶらはせおはしまししが、この御方へいらせおはしまして、八条の二位殿、御ま

ゐりありしも御所にさぶらはせたまひしを,御くしげ殿の御うしろよりおづちおづちと見まゐらせしかば」*①

語彙注：建春門院・・後白河院の女御滋子
　　　　内裏・・天皇の住居としての御殿

　　　　八条の二位殿・・平清盛室時子。中宮の母
　　　　御くしげ殿・・御服の裁縫を担当する人

　*出典：①建礼門院右京大夫集　糸賀きみ江校注　新潮社