道元の自然とは、和歌から(5)

5.横ものは継色紙を参考にして

継色紙  伝小野道風  祥香臨

「なつのよはまだよひながら あけにけり
      くものいづこに 月かくるらん」

 「なつ能よ盤
    ま多余飛那
   閑良あ希爾
     希梨

   久毛のいづこ
     に月可倶
      る羅ん」

余白に働きかける継色紙の魅力は、枚挙にいとまがありません。
連綿をあまりせずに、一字ずつを単体で構成する書き方は、今も新鮮です。

道元禅師は「いま学道の菩薩も、山流水不流より学入の門を開すべし」と述べ、
常識の見解に拘泥せず、始めるよう勧めています。

常に、新たな今が、切り取られたような眼差しで向かいたいものです。