寸松庵色紙を鉛筆で鑑賞する(5)
5.寸松庵色紙の実物に会えるかも?
埼玉県川島町の遠山記念館にて4/28から5/24まで展示される
予定です。4/1(水)から5/24(日)まで遠山記念館で特別展
「遠山記念館の50年」が開催され、その中で収蔵品である
「むめのかを」が展示されます。
貴重な機会ですので、ご興味のある方はご確認の上、是非
ご覧になって下さい。
三行目から解読しますと、「はるはすぐとも」
「は」は「盤」を用いて字幅を取り、空間に働きかけています。
「る」に続けて、「は」は「者」を使っています。
「す」は「春」の草書体を簡略化したものです。「く」は「久」
を選び、「と」で行を終えています。
四行目は行頭を右よりも上げて、右の余白に対し、二行目の「う」
と相対しています。
「かたみならまし」
「か」は「可」で小さく始まり、「た」で広げています。「み」は
「美」が元の字です。「な」は「那」を使い、ここで大きく展開し
左へは出さずに、右空間を意識しています。
「ら」から「ま」は「万」を用います。そして最後に「し」は「志」
で「那」と呼応するように配し、しつこく丁寧に書いて印象的な終わ
り方となっています。
参考文献:『寸松庵色紙』二玄社
『茶の掛物』 淡交社