寸松庵色紙を鉛筆で鑑賞する(4)

4.梅はアロマ There was an aroma of Ume.
「梅の香を袖に」まで、前回読みました。
「うつしてとめたらば(脱字) はるはすぐとも かたみならまし」

歌意は、梅の香を種々の香を合わせて作った練香のように、袖に移して
とどめることができたなら、春が過ぎたとしても、思い出となるでしょうに、
というものです。

今はまさに、梅の花が盛りの時を迎え、辺り一面が、その香りに包まれて
います。昔の方は、屋外の梅の香りに思いを馳せ、現代の人は室内にアロマ
を燻らせるのでしょう。

お気づきかも知れませんが、寸松庵色紙の歌には「は」の脱字があります。
もう一点、古今和歌集では、「とどめては」というところが、寸松庵では
「とめたらは」となっています。おそらく、古今集を書き写す際に、書き
間違えたものと思われます。

「う」から「つ」へ左へ張り、「し」につなげています。
「て」で墨継ぎをして、変化を強調しています。「と」から「め」の回転を
変えることで、動きを出しています。

そして、下部に重みを出すためと思われますが、「た」の下に「ら」を用い
ています。