色紙を鉛筆で書いてみる(4)

4, 花は桜?  The Flower are the Cherry blossoms?

河津桜にメジロが訪れる ミツを吸うのか 人の気配に気付かない

三行目:と花をし見ればも
詞書(和歌の初めに詠んだ説明文)に
「染殿のきさきのお前に花がめに桜の花をささせ たまへるを見て
よめる」とあります。

作者、良房邸にある染殿の桜は実に見事だったそうです。その桜を
折り、娘である皇后の御前に、花がめに挿した光景を見て、
「花をし見れば」と詠んだわけです。

古今集の編まれた時代、花と言えば梅だったのですが、まだ新しい
桜を詞書を付した上で、花と詠む。

作者の心を察して筆者は、「はな」は「花」と書きたいところです。
さらに旁を右へ張り出して大きく目立たせているのです。

読みやすい箇所が「と花をし」まで続きます。

「み」は「三」を使い、ひっそりと受けた後、「れ」はここまで
毎回出てきますが、懐広く展開します。「は」はお馴染みになりま
したが、「者」を用いています。
3行目の末「も」は「毛」で上の字をきれいに受けて細太が絶妙です。