色紙を鉛筆で書いてみる(1)

1.寸松庵色紙 The Sunshouan Shikisi
寸松庵色紙とは、かな古筆の小品で13センチ四方のかわいい色紙です。
茶掛けとしても珍重される魅力的な古筆です。
これを4Bの鉛筆で書いてみます。

この歌は、古今和歌集 巻第一春歌上に入っている歌で、
年ふれば齢は老いぬ しかはあれど
花をし見れば物思ひもなし

と読みます。
歌は「長く生きてきたので、年を取りました。
でも、こうして咲いている桜を見ているので、思い
わずらう事はないなあ」という意味です。

この歌の作者は、藤原良房でこの時、娘は文徳天皇の皇后
でした。桜が咲くことと、娘の栄誉を重ね、喜びを歌って
いるのでしょう。

年を重ねて、思い煩いがなく、清清としている様が、娘を
思う親の気持ちと共にゆったりと歌われています。
次回から、一行ずつ見ていきましょう。