2023-10-22 / 最終更新日時 : 2023-10-22 タオ 思慕の情 父君を亡くされた平親長と贈答歌を(15)建礼門院右京大夫集より 15.夜半のなげきも 釈文:「思ふらむ 夜半のなげきも あるものを 問ふ言の葉を見るぞかなしき」 選字は「於も布らむ夜半の那介支毛阿るもの 越と婦言の葉を見流曽可なし支」 鑑賞:この歌は建礼門院右京大夫の「君がことなげき […]
2023-10-21 / 最終更新日時 : 2023-10-21 タオ 思慕の情 父君を亡くされた平親長と贈答歌を(14)建礼門院右京大夫集より 14.くちなし染めの 釈文:「くちなしの 花色衣 ぬぎかへて 藤のたもとに なるぞかなしき」 選字は「九遅那しの花色衣ぬ支か遍弖 藤の多裳とに奈る處可難志支」 鑑賞:「くちなし」この果実は熟すと紅黄色となり、これから採っ […]
2023-10-20 / 最終更新日時 : 2023-10-20 タオ 思慕の情 父君を亡くされた平親長と贈答歌を(13)建礼門院右京大夫集より 13.夜通し嘆いて 釈文:「よもすがら なげきあかせば 暁に 猿(まし)の一声きくぞかなしき」 選字は「夜も須可ら那希支あ駕せ者暁爾 まし能一声機供曽可奈志支」 鑑賞:「なげきあかせば」は助詞の「ば」を添えて順接を表す。 […]
2023-10-15 / 最終更新日時 : 2023-10-15 タオ 思慕の情 父君を亡くされた平親長と贈答歌を(12)建礼門院右京大夫集より 12.荒れるままの庭で 釈文:「秋の庭 はらはぬ宿に 跡たえて 苔のみふかく なるぞかなしき」 選字は「秋の庭者羅八ぬ宿爾あと多邊弖 古希能見ふ可九なる處か奈しき」 鑑賞:この歌は底本にはなく、諸本によって補い入れている […]
2023-10-14 / 最終更新日時 : 2023-10-14 タオ 思慕の情 父君を亡くされた平親長と贈答歌を(11)建礼門院右京大夫集より 11.晴れる間もなく 釈文:「晴れ間なき うれへの雲に いつとなく 涙の雨の ふるぞかなしき」 選字は「晴連ま難支うれ遍農雲耳い徒 登那久奈美多の雨農布る所可奈し支」 鑑賞:この歌に対応する建礼門院右京大夫の歌が残ってい […]
2023-10-13 / 最終更新日時 : 2023-10-13 タオ 思慕の情 父君を亡くされた平親長と贈答歌を(10)建礼門院右京大夫集より 10.植えていた花も 釈文:「うゑおきし ぬしはかれつつ いろいろの 花さへ散るを 見るぞかなしき」 選字は「う衛お支しぬ志は可連つヽ移ろヽヽの 花さ邊千る越見る處か奈し支」 鑑賞:「かれ」は「離れ」と「枯れ」との懸詞。 […]
2023-10-12 / 最終更新日時 : 2023-10-12 タオ 思慕の情 父君を亡くされた平親長と贈答歌を(9)建礼門院右京大夫集より 9.時雨ばかりが 釈文:「板びさし 時雨ばかりは おとづれて 人目まれなる 宿ぞかなしき」 選字は「板飛佐し志久れ盤可里八おと徒連 弖人免ま麗奈類やと所可那志支」 鑑賞:「板びさし」は板で屋根を葺いた庇。「時雨」は秋の末 […]
2023-10-11 / 最終更新日時 : 2023-10-10 タオ 思慕の情 父君を亡くされた平親長と贈答歌を(8)建礼門院右京大夫集より 8.秋の暮を 釈文:「またもこむ 秋の暮をば 惜しまじな かへらぬ道の 別れだにこそ」 選字は「万多も許農秋の暮を八惜しま志 那可遍らぬ三遅農わ可連た爾こ所」 鑑賞:「惜しまじな」の「な」は詠嘆を表す終助詞。「かへらぬ道 […]
2023-10-10 / 最終更新日時 : 2023-10-09 タオ 思慕の情 父君を亡くされた平親長と贈答歌を(7)建礼門院右京大夫集より 7.私も亡き人を 釈文:「君がこと なげきなげきの はてはては うちながめつつ 思ひこそやれ」 選字は「支美可こ登な希き介支能盤弖 波て者有地奈可免徒ヽ思飛こ所や連」 現代語にすると:「あなたの心の内をお察しし、深い嘆き […]
2023-10-09 / 最終更新日時 : 2023-10-09 タオ 思慕の情 父君を亡くされた平親長と贈答歌を(6)建礼門院右京大夫集より 6.おつらそうに 釈文:「わびしらに 猿(ましら)だになく 夜の雨に 人の心を 思ひにこそやれ」 選字は「王飛しらに猿多二那久夜の雨爾 ひと農こヽ楼をおも日許所や連」 鑑賞:「わびしらに」の「ら」は接尾語。つらそうに、心 […]