藤原佐理書状(6)離洛状を臨書して

6.道風の継承
釈文:「異於在都之日者也」

鑑賞:「於在」の「於」は変体かなで「お」として使われる。かな書道には馴染みの深い字である。懐深くゆったりとした字は道風からの流れを感じさせつつ、線の食い込む角度に留意した跡が見られる。

一方で「者也」はスピードに乗った勢いが、心地よい。空間への働きかけも変化に富んでいる。

参考文献:古筆に学ぶ 榎倉香邨著 二玄社