万葉集の相聞歌(11)金沢本を臨書して

11.穂の上の
釈文:「秋の田の穂の上に霧あひ 朝霞いづへのかたにわが恋ひやまむ」

選字は「阿支能多の本能うへ爾き利あひあさかすみ い徒への可多にわ可こひや万む」

歌意は「秋の田の実った稲穂の上にかかっている朝の霞がどこかへ消えてゆくように、私の恋心もどこへ消えてゆくであろうか。」

参考文献:万葉秀歌(一)久松潜一著 講談社学術文庫