遠い神代の昔から(1)和泉式部日記を書いて

1.霜月のころ
釈文:「十一月一日ころ、雪のいたく降る日、『神代よりふりはてにける雪なれば けふはことにもめづらしきかな』」

選字は「十一月一日こ路雪のい多具降る日 神代よ里布利はて耳介類雪奈れ盤 遣ふ者許と爾裳免つ羅し支可那」

鑑賞:「ふり」に「降り」と「古り」をかけた。「降り」は「雪」の縁語。「古り」は「神代」の縁語。

歌意は「遠い神代の時代から、降ってきた雪ですのに、今日の雪はひときわ趣深く感じられます。」

参考文献:和泉式部日記 清水文雄校注 岩波文庫
和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社