玉の緒の命(2)和泉式部日記から

2.罪ふかく思えて
釈文:「いかがある と問はせ給へれば、すこしよろしうなりにて侍り。しばし生きて侍らばや、と思ひたまへるつこそ、つみ深く、さるは」

選字は「い可ヽ阿類と 度者勢多ま遍連八須こしよ路志う奈利 耳傳者へ里し盤志生き亭傳ら者 やと思ひ多ま遍徒るこ楚つ美深久さる八」

鑑賞:「しばし生きて侍らばや、と思ひたまへるつこそ、つみ深く」しばらくは生きていたいと思うことは、生への執着で罪深いこと、と考える仏教思想からきている。

大意は「宮さまが女の具合を案じていたので、少し良くなり、もうしばらく生きていたいものです、と生への執着を見せることに罪の意識を感じている。そうはいうものの、、

参考文献:和泉式部日記 清水文雄校注 岩波文庫