荻の葉擦れの音を(5)和泉式部日記を書いて

5.私を思ってくださり
釈文:「思ひやりきこゆるこそいみじけれ とぞある。のたまはせける、と見るもをかしくて、所かへたる御物忌みにて」

選字は思ひや利支許ゆるこ所いみじ介れと曽阿る乃多満者せ希類と見るも越可志具弖所可 遍多る御物忌三耳て」

鑑賞:「のたまはせける、と見るもをかしくて」私を思ってくださって、お便りをくださったのだ、と見るにつけても、心ひかれて。

「所かへたる御物忌み」四十五日の忌たがへのことをさす。

参考文献:和泉式部日記 清水文雄校注 岩波文庫