荻の葉擦れの音を(1)和泉式部日記を書いて
1.雨風が強く
釈文:「かくのみ絶えずのたまはすれど、おはしますことはかたし。雨風などいたう降り吹く日しも、おとづれ給はねば、人少ななる所の風の音を」
選字は「か久乃み絶え寸能多(堂)まは連と於者しま 須こ登者閑多し雨風奈とい多有降利ふ 具志裳於とつれ給盤年八飛登少那ヽる所 乃可世農おと越」
鑑賞:「かくのみ」宮邸入りの誘いのこと。「人少ななる所」女の住まいである。宮邸を異なり、人の出入りも少なければ寂しい場所となる。
参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社
