露むすぶ道を(4)和泉式部日記を書いて
4.道芝の
釈文:「道芝の露におきゐる人により わが手枕の袖もかわかず」
選字は「道芝のつ遊耳お支井る人爾夜里 わ可手枕農楚て裳か王可数」
鑑賞:「おき」は「置き」と「起き」をかける。「露」と「置く」は縁語。宮は歌によって露に濡れないはずの袖をぬらしたのは女のせいだ、としたのに切り返した。
歌意は「道沿いの芝草に降りた露のために、寝られずに起きているあなたゆえに、私の手枕の袖も涙に濡れ乾かないのです。」
参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社