あかつき起きの文に御返歌五首(3)和泉式部日記より

3.自らの命を
釈文:「消えぬべき露の命と思はずは 久しき菊にかかりやはせぬ」

選字は「消えぬ遍支つ遊農い乃遅と於も盤須者 比さしき菊に可籠りや八勢ぬ」

鑑賞:「ずは」の「は」は強意の係助詞。

歌意は「自らの命を、すぐに消えてしまう露のようにはかないものと思わないで、なぜ長寿の効果のある菊に頼ろうとしないのですか。」

参考文献:和泉式部日記 清水文雄校注 岩波文庫