逢坂の関を越えてたづねてきた人は(3)和泉式部日記から
3.今日のお便りを
釈文:「関越えてけふぞ問ふとや人は知る 思ひ絶えせぬ心づかひを」
選字は「関越え亭介婦曽と布登や人盤し流 於も日絶盈せぬこヽ楼つ可飛を」
鑑賞:「関」とは、山城から近江への国境にあった逢坂の関のこと。
「を」間投助詞。助詞の分類の一つ。文中の語句の切れ目で語勢を加え、語調を整えて余情を添える助詞。「よ」「や」「を」「ろ」「ゑ」「な」「ね」など。
歌意は「逢坂の関を越えて今日お便りすることを、あなたはご存知でしたか。わたしは絶え間なくあなたに心を配っているのです。」
参考文献:和泉式部日記 清水文雄校注 岩波文庫