乳母の忠告とは(1)和泉式部日記を書いて

1.香をたきしめて

釈文:「『かひなくなん』ときこえさせたり。
おはしまさむとおぼしめして、薫物などせさせ給ふほどに、侍従の乳母、まうのぼりて」

選字は「可非奈く那無ときこ盈沙せ多里
於い者し万佐むとお本志免して薫物奈とせ散せ多ま布ほと耳侍従の乳母まう能本利て」

鑑賞:「薫物」衣服に香をたきしめることで外出の準備である。「侍従の乳母」氏名は詳らかでないが、幼少時からのお守り役。

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社