人生を心ゆくまで味わう(2)陶淵明・飲酒二十首其一から

2.陶淵明の詩

 四十一歳で県令の職を辞めてから、郷里の田園に暮らし、畑仕事に精を出し、酒を愛し、自然を慈しみ、詩を作るという生活を送り、世に「田園詩人」、「隠逸詩人」と評された。現存するしはおよそ百二十首。その詩は、時代を下って東大において評価され、唐代・宋代の著名な詩人たちに多大な影響を与えた。

 唐代の中期には韋応物がその「閑居」(暇な生活に自適の生活を託す生き方)や「棄官」(自ら進んで役人の身分を投げ出す)の生き方に注目した。さらに、陶淵明や韋応物に傾倒したのが、白居易だった。

参考文献:漢詩をよむ 赤井益久著 NHK出版