俊成九十祝賀の贈答に(1)建礼門院右京大夫集から
1.長寿を祝う
釈文:「建仁三年の年、霜月の二十日余りいくかの日やラム、五条の三位入道俊成、九十に満つと聞かせおはしまして、院より賀賜はするに」
選字は「建仁三年の年霜月乃二十日余り い久可能日やら無五条農三位入道俊成 九十爾満つと幾可勢お者しま志弖 院よ里賀賜盤須る耳」
鑑賞:「建仁三年」は1203年11月23日のこと。後鳥羽上皇が二条御所で俊成の九十の賀の祝宴を催された。作者は四十七歳ころ。「五条の三位入道俊成」は藤原俊成、法名は釈阿。平安時代の大歌人で『千載集』の撰者、『古来風体抄』、家集『長秋詠藻』
参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社