蘇軾の絵画論を書く(7)その二
7.画と詩と書
蘇軾は形が似ているかどうかで画を判断したり、詩題に合っているかどうかで、詩の良し悪しを評価することは、どちらもわからない者のすることだと断じている。
彼は、これまでの絵画論や詩論を見直して、創作の根底にある普遍的な法則に思い至った。それは全ての芸術に共通する究極の目的としての表現であった。
唐代には書論の中に「能」「妙」「神」「逸」という四つの格が規定されていた。絵画では徽宗の画学において、画家はまず絵画の技能を会得しなければ自由な表現をすることができなかった。
「逸」は本来ウサギが逃げる意から逃げる、走るを意味し、そこからほしいままにするの意味を表したように、逸品はそれまで、あまり重要視されてこなかった。しかし蘇軾ら文人は技能よりも即座に逸品を追求した。
参考文献:中国美術学院 中国画・書法芸術学院 2016年