こういう時は聖教序を臨書しよう(1)

1.聖教序には二つある

     集字聖教序    王羲之  二玄社    祥香臨

一つは、楮遂良が書いた雁塔聖教序で、二つめは懐仁(えにん)が編纂した、上記の集字聖教序です。懐仁は、弘福寺の沙門で、勅命によって唐の秘庫から王羲之の書を集字して碑が建立されました。序記の下賜から建碑まで二十五年を要したそうです。

当時、唐の高宗の時代、672年には弘福寺に建てられましたが、今は西安碑林に並べおかれています。

原跡は、蘭亭叙、喪乱帖、奉橘帖や淳化閣帖ほかから集め、中でも蘭亭叙からは五十字
ほど集字されています。ただし、字粒をそろえるため拡大・縮小をし、見当たらない字は
偏と旁を組み合わせています。

そもそも聖教序とは何でしょうか。
玄奘三蔵法師はインドから持ち帰った仏典を新たに漢訳し、唐の太宗に奉じました。
貞観22年(648)に「大唐三蔵聖教序」が下賜され、高宗が皇太子であったとき、
撰した「述三蔵聖記」を賜りました。