顔回は旅に出たいと願った(2)荘子を書く

2.何をしようとするのか

荘子 祥香書

衛へ行こうとする顔回に孔子はたずねます。何をしようとするのか。答えて言うには、
聞衛君其年壮其行獨軽
 用其國而不見其過軽民死


「聞くところによれば、衛の君主は若くて、その行動は勝手気まま、浅はかな考えで国中を動かしておきながら、自分の過ちに気づかない。民を死に追いやるような仕事をさせているそうです。」

顔回は、衛の国の荒れた状況を聞き、義憤の思いに駆られたのでしょうか。顔回は、孔子最後の弟子として名高く、仲尼は、孔子の字です。ここでの問答は、当然ながら虚構ですが、『荘子』の中で孔子は道教的人物であったり、融通のきかない人物として描かれています。

 参考文献:荘子 金谷治訳注 岩波書店