10B鉛筆でかな古筆を書く(1)
1.4B鉛筆から10B鉛筆へ From 4B to 10B Pencil
桜の開花宣言には早いのですが、お歌は桜にまつわるものです。
一句:いろもかも
二句:おなじむかしに
三句:さくらめど
四句:としふる人ぞ
五句:あらたまりける
今回は、一区ずつ丁寧に解説してまいります。
まず、かなの『い』は『以』から来ています。『以』の草書体です。
次の『ろ』に『路』を使い、行幅を出しています。こちらも草書体です。
『も』は『裳』を採用して、広くなった字幅を受けています。これも
草書体ですが、より簡略化したものです。現代表記では、『裳』を
『装』と書き換えることがあるので、馴染みが薄いかもしれません。
しかし、これは訓読みとも言える読み方で、今も『裳階』を『もこし』
と読むことからも分かります。
『か』は『可』の草書体ですが、上の字からつながりがある場合は横画
を省略することができます。『可』の下の部分だけを書いています。
『も』はそのままですが、通常より横画を一画省いています。元の字は
『毛』です。