鉛筆でかな古典を書いてみる(5)

5. 細太 Thick or Thin
これまで、鉛筆で古典を書いてきましたが、鉛筆では表現しにくい
と、感じられた部分があると思います。

それは、細太ではないでしょうか。筆で描く場合は、細い所と太い所を
筆の上下運動で出すことができます。しかし鉛筆で書くときは、それが
難しくなります。

鉛筆は、江戸時代初期にオランダから輸入されたそうですが、芯は固形
で硬いものです。鉛筆の軸もある程度しっかりと握る必要があります。

ですから、鉛筆で書くときはそのことを考慮に入れて、あまり強く握らずに
書くと良いでしょう。元来、かな文字は動きのある流れが大切ですので、
その通りに書こうというよりは、リズムを感じるように書いてください。

そして時折、鉛筆を傾けてみたり、少し強く書いたりすることで、変化
が生まれてきます。

大事なことは、古の人々が美を感じた『かな文字』に、追体験を試みる
ことだと思います。是非、体験してみてください。