若き維盛の警固姿に(2)建礼門院右京大夫は

2.賀茂神社の祭礼に

建礼門院右京大夫集  祥香書

使われている語彙を少し見ていきましょう。
みあれ:御生と書き、賀茂神社の祭神、別雷命の生誕祭といわれます。

藤壺:宮中五舎の一つ、飛香舎、清涼殿の北、弘徽殿の西に位置します。
   壺(中庭)に藤が植えてあるのでこの称があります。

そして、今回の主役、
維盛:保基三年(1158)生まれ、寿永三年(1184)没。
   平重盛の長男。承安二年(1172)から右近衛少将兼中宮権亮。

指貫:裾に緒を指し貫いてある括り袴
若楓:襲の色目、表が薄萌黄、裏が薄紅梅。夏四月に男女とも着用します。*①

男女共におなじ色目の衣装を着用していたことは、現代のユニセックスの服装にも通じるものがあり、新鮮に感じます。

  *出典:①建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社