雲の上にひかりを見る-建礼門院右京大夫(4)

4.目もあやに

建礼門院右京大夫集  祥香書

現代語訳:真っ直ぐに拝見できないほど、きらびやかで立派でいらしたのを、通路からお見受けして私はこう思いました。

  宮中にお仕えして、主上と中宮の御姿を
  拝見することのできる我身の巡り合わせ
  までが嬉しく思われることです

語彙注:「雲のうへ」:禁中。宮中のこと
   「雲のうへ」「かかる」「ひかり」は縁語
 縁語とは、歌文中である言葉との照応により表現効果を 増すために用いる、その言葉と意味上の縁のある言葉。

まるで雲の上から光が漏れ、輝いているかのようなお二人の御姿に喜びを隠せない建礼門院右京大夫の気持ちがよくあらわれています。