和泉式部日記を書く(六十五)-雨季を知る-(1)
1.心憂しと
釈文:「心憂しとおもふ人の、おほかたに来たるに『憂きを知る こころなりせば 世の中に ありけるとだに 見てやみなまし』」
選字は「心憂しとおもふ人農於本可多に来多る二 有記をし流こヽ露奈り勢八世の那可爾阿 梨希る登多耳見亭や三なまし」
鑑賞:「心憂しとおもふ人」こちらが不満の思う人。多くが愛情関係。「おほかたに」ありきたり、通りいっぺん。
歌意は「恋のつらさを知っていれば、あなたのような情の薄い人がこの世にいると思いもせずに、お別れするべきだった。どうしてたいした用もないのにおいでになられたのか。」
参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社


