和泉式部日記を書く-いたくさわがしきころ-(1)

1.いたくさわがしきころ
釈文:「世の中いたくさわがしきころ、とはぬ人に『世の中はいかになりゆく ものとてか こころのどかに おとづれもせぬ』」

選字は「世の中い多具佐わ可し支故ろと盤ぬ人爾 よ能那可盤い可耳奈里遊久毛のと傳可 許ヽ婁乃登可におと徒連も勢ぬ」

鑑賞:「世の中いたくさわがしきころ」は騒然とした時節。多くは悪疫などが流行る時をさす。政治情勢も混沌として、有力政治家の死などによって国内が不安定となる。またその原因となった天変地異が神意の表れと見ることもあった。

歌意は「世の中がどのようなっても構わないとあなたはお思いなのでしょうか。全く気にもとめずに私の元へおいでにならないで。」


参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社