和泉式部日記を書く-たのめて来ぬ人-

1.たのめて来ぬ人に
釈文:「たのめて来ぬ人に 『やすらひに 真木の(戸)をこそささざらめ いかにあけつる 冬の夜ならん』」

選字は「たの免て来ぬ人爾つとめ弖 や春比耳万き能(と)をこ所佐羅免 伊可に阿希つ類冬の夜奈ら无」

鑑賞:「たのめて来ぬ人」約束を破って来なかった男。「あける」は「明ける」に「開ける」をかける。「開く」は「さす」とともに「戸」の縁語。

歌意は「あなたがおいでになると思って、ぐずぐずと真木の戸を締めずにいたら、思いのほか冬の夜は早くあけてしまった。」

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社